ローン編

 ハウスメーカーと土地が決まり、あとは具体的に資金計画をたてて突き進むのみです。が、資金計画ですよ。資金。

 すべてニコニコ現金払い、するには貯金が足りなーい!

 無念、ここは住宅ローンを組むしかありません。ローンなんて響きのいい言葉を使ったところで、これは「借金」ですわよ、だんな様! 我が家もとうとう借金生活に突入です。

 借金生活中は浪費厳禁。パソコン関連グッズも、今までみたいに欲しいからってすぐ買っちゃダメよ!

 ってな生活から早くオサラバしたいよね。ローンなんてサクッと借りてサクッと返しちゃおうよ♪

 ……という我が家の見通しがいかに甘かったか、勉強不足にもほどがあったローンの現実、いやというほど知ることになりました、というお話です。

ガビーン! まさかの門前払い

 自分でいうのもなんですが、うち、結構頑張って自己資金を貯めてきた方だと思うんです。夫はきちんとした会社員で間違いありません。借りようとしている金額も、一般的な範囲内です。

 だから、当然ローン審査なんて軽く通って、それどころか「ぜひうちの銀行を利用してください」って言われる優良顧客だよねぇHAHAHA☆ などと高をくくっておりました。今となってはお恥ずかしい限りです。

 ネットなどで金利をざっと調べて、この「大手銀行、うちの条件ならかなり低い金利で借りられそうじゃない?」なんて気軽に訪ねた某メガバンク。係の人に我が家の状況を簡単に説明したところ……。

「うちでは扱えません。北洋さんや道銀さんに行ってください。」

 な、なんで?! 審査に辿り着くことすらなく、断られちゃったよ?!

 どうやら、土地と家を別で買おうとしている点と、地元中小工務店で建てようとしている点がNGだったようです。

 しょっぱなからお断りされて意気消沈です。

 仕方ないので、言われたとおり地方銀行へと向かうのでありました。

 

つなぎ融資ナニソレ?

 こうなったら地方銀行を利用して、北海道経済に少しでも貢献しちゃうもんね! と気を取り直して北洋銀行へ。

 北洋銀行と北海道銀行はただいまキャンペーン中とういうことで(これを書いているのは2011年9月です)、保証料無料&3年間は固定金利0.8パーセントらしいです。よっし、それなら北洋か道銀で借りて3年でビシバシ繰り上げ返済してやるわ~! と張り切って説明を聞き始めました。

 よかった、こちらは相手にしてくれそうです。

 ですが、しばらく話を聞いているうちに、問題が発覚しました。

 え? 住宅ローンって、必要なときにお金がおりるものじゃないの? 家が完成してから一括なの?

 ぎゃー! 完全に私たち夫婦の勉強不足だよ!

 つまり、大手ハウスメーカーで建築する場合は、代金支払いは家の完成引渡しと同時だから何も問題なし、と。けれど、うちみたいに工務店で建てる場合は、契約金や上棟時に何割かの現金が必要になってくるわけで、それはローンではお金はおりないから手持ちの現金を用意しなければならない、と。

 現金がなければ、「つなぎ融資」が必要になるって!!

 つなぎ融資なんて初めて聞きました。帰宅後あわてて調べました。

 ふむふむ、住宅ローンがおりるまでのつなぎに、別口で借金するわけですね。

 って、金利、手数料、高っっ!!!

 たとえば900万円を4か月間でつなぎ融資を受けたとしたら、銀行にもよるけれど、手数料は3万円~5万円台とかで、金利は2.75%とか2.85%とかとにかく高くって、かるーく10万円から15万円くらい出費が増えることになるわけ?

 やだやだ、そんなの払いたくないよ~(泣)!

 しかも、我が家のケースだとつなぎ融資は妻が保証人になる必要があるそうで、私が印鑑登録をしないといけないそうな。印鑑登録できるようなハンコ、持っていないんですが、どうしましょう。

 

ローン、土地と家で二本立て?

 なんとかつなぎ融資を回避する術がないものでしょうか。

 そもそもうちに現金がないと騒いでいるのは、土地を現金でお買い上げしようと計画しているからでした。

 だったら、その計画をやめて、土地でローン1本、家でローン1本で分けて組めばいいんじゃないの? そうしたら、ほら、途中で現金が使えるよ♪

 しかし、世の中そんなに甘くはありません。

 土地と家で二本立てにするということは、当然ローンふたつぶんの手数料がかかります。しかも、土地のローン返済はすぐに始まるから、家賃と月のローンのダブル払いが開始します。それは払えないことはないにしても、せっかく3年間の低い固定金利のキャンペーンなのに、ダブル払いに追われて繰り上げ返済を全然しないうちに、キャンペーン3年のうちの半年がいきなり終わっちゃいます。

 ……あ、あれー……つなぎ融資の回避と、どっちがお得なのかわからなくなってきちゃったぞー……???

 

親から借金

 銀行さんが、見ず知らずの私たちにいきなりお金を貸してくれるというのだから、手数料や金利が高いのは当然のことでした。それを覚悟していなかった私たちが、完全にバカでした。

 いろいろ考えましたが、いちばん安くすむ方法は「親に頭を下げる」ことだとわかりました。

 本当は、親には頼らず自分たちの力だけで、という方針のはずでした。ですが、親から4か月貸してもらえれば10万円以上節約できるという悪魔の囁きは甘美でした。結局、妻方実家に借金のお願いをすることに……。

 本当にありがたいことに、実家の父は快く引き受けてくれて、大感謝です。浮いた分の10万円で、必ず親孝行します。

 これでなんとか、土地を現金で買い、つなぎ融資を親から借りることで回避して、親からの借金は家の完成を待って住宅ローンがおりた時点で全額一括返済し、住宅ローンの返済を来春から開始、という流れにできそうです。 

 

贈与税を払わないために

 親からの借金、とくれば出てくるのが贈与税の問題です。

 もちろん脱税計画ではありませんよ。そもそも贈与なんて受けていませんから、贈与税は発生しません。でもれっきとした借金なのに、税務署から贈与と勘違いされて課税されたら、節約も何もあったものじゃありません。

 そうそう、もうひとつありました。親からだけじゃなく、妻からの借金もあるんです。夫の口座だけではちょっと足りない現金、妻の口座から移動したら、これまた贈与になってしまうのでしたね。私名義の口座からあげるのは年間110万円までですよ☆ 超えるぶんは、耳をそろえてきっちり返していただきますからね。と思ったら、冬のボーナスで返してくれるそうです。

 さて、親からの借金、妻からの借金、贈与とみなされないためにどうしたらいいのでしょうか? さあ調べるぞー。

 妻に関してよく言われるのは、持分を一部妻の名義にする話です。うちは離婚の心配もないことですしね。でも、私は専業主婦だから、現金買いする土地はともかく、家はダメです。ローンの支払い能力がありませんから。……とウダウダ考えていて、はたと気が付きました。夫がお金は返すと言っている以上、名実ともに借金の形をとればいいだけですよね。面倒なことを考えるのはやめました。

 ここは専門家に確認するのがいちばんです。札幌市は札幌西税務署で電話相談を受け付けてくれるそうなので、さっそくかけてみました。

 かくかくしかじか、状況を説明して、アドバイスを頂戴しました。(あくまでもうちのケースです。)

 親からの借金も、妻からの借金も、基本的には同じです。

 まず、借りる時点で金銭消費貸借契約書を作成します。いわゆる借用書のちゃんとしたやつですな。ここに、いつどうやって返済するかを明記します。

 利子の設定は、今の低金利のご時世なのですごく低くても問題ないそうです。また、これくらいの借金だとふつう利子は年間110万円を超えませんから、利子分は贈与したものとみなして、実質無利子としてもかまわないそうです。ただし、別件で贈与があれば、たして110万を超えない範囲ということなので、注意が必要と。うちの場合は、他に親からお金をもらったりはしていないので、問題なさそうです。

 それから、お金の移動が目に見える形で残るように、お金は借りる時も返す時も預金口座を経由することが重要だそうです。

 気になるのは、金銭消費貸借契約書って、どれくらいキッチリ作ればいいものなのか、ということですよね。

 うちの場合は、金額もさほど大きくないし借りる期間も短いので、そんなに厳密でなくてもよい、とのことでした。公正証書にする必要はもちろんないし、公証役場の確定日付もいらないそうです。なんでも、契約どおりにお金が動いてきちんと返済の実態があれば、税務署が「借金だという証拠の金銭消費貸借契約書を見せろ」と要求することはないそうです。むしろ、身内間の借金トラブルを防ぐために親子夫婦といえども一筆とっておかないとダメですよ~くらいな口ぶりでした。

 ここは言われたとおりにしましょう。これで贈与と疑われる心配なしです!

 

北洋さんと道銀さん

 さあ、残る問題はどこの銀行から借金するか、ということです。

 北洋銀行、北海道銀行、両方から詳しいお話を聞いてみました。

 結論から言うと、ほとんど両者に違いはないですね。

 キャンペーンの内容もほぼ一緒。あえて違いをあげるなら、北洋銀行は3年0.8%の固定期間後の金利が若干低く、そのかわり諸手数料がやや高い。北海道銀行は同様の固定期間終了後の金利は少しだけ高いものの、諸手数料が安く、宝くじのおまけつき。うーん、最初の3年間であまり繰り上げ返済をしないなら、長い目で見て金利の低い北洋銀行。3年以内に怒涛の繰り上げ返済をするなら、宝くじで夢を見ながら北海道銀行。……なのかなぁ?

 どちらを選んでもいいけれど……。今回道銀の宝くじ付き定期預金を解約しちゃったから、その流れで道銀にする?

 

借金生活、はじまります

 借りるからには返さねば!

 ローン返済期間中は、無駄遣い禁止です。娘の教育資金も並行して貯めなければなりませんからね。

 節約しますよ~。

 といっても、もともと我が家は派手な生活をしていないので、切り詰めると言っても限度がありますね。私はもともと無駄遣いしないほうだし、育児中ということでますます買い物の機会は減っています……。あ、これからますます食費や光熱費節約を日々頑張ろうっと。うん、これが家族の健康のためにもいちばん良さそうです。

 他には何かないかなぁ……?

 そうだ夫のパソコン関連用品♪

 日々増えていくデジタル機器、これを節約しましょうそうしましょう♪♪

 パソコン1年に1台買うのをやめて、スマートフォンはしばらく今のIS03でいくとして……って、何ひよひよさん? ええ? ウィンドウズエイトってのが出るって? タッチパネルタイプの端末が開発に絶対必要になるの? そっかぁー、開発に不可欠なものなら買うしかないよね。

 ……。

 だ、大丈夫かな、我が家のローン返済。 ともかく、頑張るぞー!

リコハウスで家づくり体験記 (ゆたんぽぬくぬく.COM - 嫁ブログ)へ続く