
CrystalDiskInfoを起動したところ、健康状態に黄色で「注意」、あるいは赤色で「異常」と表示され、不安になった方もいるでしょう。
最初に結論をお伝えします。
「注意」または「異常」と表示された場合は、原因の調査より先に、大切なデータを別のストレージへ退避してください。
「注意」と表示されたからといって、すぐにドライブが動かなくなるとは限りません。しかし、そのまま何年も問題なく使えることも保証できません。
CrystalDiskInfoの健康状態は、故障する日時や残り寿命を正確に予測するものではありません。ドライブが報告するS.M.A.R.T.情報を読み取り、利用者が早めにバックアップや交換を検討できるよう、状態を分かりやすく表示するための機能です。
※CrystalDiskInfoはすべてのHDD/SSDに対応しているわけではありません。一部製品では、健康状態を誤って判定してしまうことがあります。誤判定が疑われる場合はご連絡ください。なお、製品によっては、出荷時点で不適切なS.M.A.R.T.値が設定されている場合もあります。CrystalDiskInfo側で対応できないこともある点ご了承ください。
最初に行う3つのこと
1. 大切なデータを別の場所へコピーする
写真、動画、仕事のファイル、メール、制作物、ゲームのセーブデータなど、失うと困るデータを優先して退避してください。退避先には、次のような保存先を利用できます。
- 別の内蔵HDDまたはSSD
- USB接続の外付けHDDまたはSSD
- NAS
- 信頼できるクラウドストレージ
同じドライブ内の別フォルダーや別パーティションへ移動しても、ドライブ自体が故障した場合には一緒に失われるため、バックアップにはなりません。
コピー中にエラーが発生する場合は、何度も同じ操作を繰り返すより、最も重要なファイルから少しずつ退避してください。
2. CrystalDiskInfoの画面を保存する
原因を確認できるよう、CrystalDiskInfoの画面をスクリーンショットで保存してください。
また、メニューの「編集」から「コピー」を実行すると、ドライブ情報をテキストとしてコピーできます。パソコンメーカー、ドライブメーカー、修理業者などへ相談するときに役立ちます。
3. バックアップ完了後に交換を検討する
「注意」や「異常」が表示されたドライブを、重要なデータの唯一の保存先として使い続けることはおすすめできません。
バックアップを終えた後、パソコンやドライブの保証期間を確認し、必要に応じてメーカーへ相談してください。
「注意」と「異常」の違い
「注意」
「注意」は、CrystalDiskInfoが監視している項目の一部に、劣化または問題の兆候を検出した状態です。
HDDでは、既定の設定で主に次の項目を確認しています。
- 05:代替処理済のセクタ数
- C5:代替処理保留中のセクタ数
- C6:回復不可能セクタ数
これらの項目が設定された基準を超えると、「注意」と表示されます。
「注意」は「今すぐ必ず故障する」という意味ではありません。しかし、正常な状態とは異なるため、バックアップを確認し、交換時期を検討するための警告として受け止めてください。
「異常」
「異常」は、ドライブ自身が管理しているS.M.A.R.T.の現在値が、メーカーの定めたしきい値を下回った場合などに表示されます。
すでにドライブが正常な状態ではない可能性が高いため、重要なデータが残っている場合は、通常利用を続けず、できるだけ早く退避してください。
データを自分で読み出せない、異音がする、接続が頻繁に切れる、Windowsから認識されないといった症状がある場合は、データ復旧の専門業者への相談も検討してください。提携しているA1Dataさんであれば、CrystalDiskInfoユーザー限定で10%の割引を受けることができます。
HDDで黄色になりやすい3つの項目
05:代替処理済のセクタ数
HDDには、データを正常に記録できなくなった領域を、予備の領域へ置き換える機能があります。
「代替処理済のセクタ数」は、この置き換えが行われた数を示します。
少数でも直ちに故障するとは限りませんが、値が増え続けている場合は、記録面の劣化が進行している可能性があります。
C5:代替処理保留中のセクタ数
正常に読み取れず、今後の処理を待っている不安定なセクタの数です。
この値がある場合、ファイルの読み込みエラー、動作の停止、コピーの失敗などが発生することがあります。
後から正常に読み書きできれば値が減る場合もありますが、代替処理へ移行する場合もあります。値が消えたことだけを理由に、ドライブが完全に正常へ戻ったとは判断できません。
C6:回復不可能セクタ数
ドライブのエラー訂正機能を使っても、正常に読み取れなかったセクタの数です。
保存されていたデータの一部を読み出せない可能性があるため、表示された場合はバックアップを優先してください。
SSDで「注意」と表示された場合
SSDでは、HDDとは異なる方法で健康状態が管理されています。
CrystalDiskInfoは、SSDが報告する「残り寿命」「使用済み寿命」「利用可能な予備領域」など、メーカーやコントローラーごとに定義された情報を基に健康状態を表示します。
多くのSSDでは、残り寿命が10%以下になると「注意」と表示されます。
ただし、表示される寿命の割合は、一般にメーカーが想定する書き込み耐久性を基に計算された目安です。「残り10%なら、あと何日使える」と単純に換算できるものではありません。
残り寿命が少なくなったSSDは、バックアップを確認したうえで、計画的に交換してください。
「正常」ならバックアップは不要?
いいえ。
CrystalDiskInfoで「正常」と表示されていても、今後の故障や突然のデータ消失が起きないことを保証するものではありません。大規模なHDD調査でも、一部のS.M.A.R.T.項目は故障率と強い関連を示す一方、S.M.A.R.T.に明確な兆候を示さず故障したドライブも多数確認されています。健康状態にかかわらず、失いたくないデータは常に別の場所へバックアップしてください。
CrystalDiskInfoは、バックアップの代わりになるものではなく、バックアップや交換を考えるための材料を提供するツールです。
やってはいけないこと
「注意」や「異常」が表示された直後は、原因を調べるために、すぐ負荷の高い検査を行いたくなるかもしれません。
しかし、大切なデータがまだドライブ内にしかない場合は、次の操作より先にデータを退避してください。
- 長時間のベンチマーク
- ドライブ全体への書き込みテスト
- 必要のない大量コピー
- 初期化やフォーマット
- データを消去する可能性がある修復操作
調査や検査は、重要なデータを確保してから行いましょう。
数値が増えているか確認する
S.M.A.R.T.情報では、現在の数値だけでなく、時間の経過とともに値が変化しているかも重要です。
バックアップが完了しており、引き続き状態を確認する場合は、定期的にCrystalDiskInfoを起動し、同じ項目の生の値を記録してください。特に、05、C5、C6などの値が増加している場合は、交換を強くおすすめします。
ただし、値が増えていなくても、安全を保証するものではありません。重要な用途では、警告が一度でも表示された時点で交換することが最も確実です。
よくある質問
「注意」を「正常」に戻すことはできますか?
健康状態の判定基準は設定から変更できますが、表示だけを「正常」に変えても、ドライブの状態が改善するわけではありません。警告を消すことより、バックアップと原因確認を優先してください。
C7「インターフェースCRCエラー」が増えています
C7は、主にドライブとパソコンの間のデータ転送時に発生したエラーを記録する項目です。
SATAケーブル、コネクター、電源、接触不良などが原因となる場合があります。ケーブルを交換して値の増加が止まるか確認してください。なお、生の値は累積値であることが多いため、原因を解消してもゼロには戻らない場合があります。
外付けHDDが表示されません
USB変換チップや外付けケースによっては、S.M.A.R.T.情報を取得できない場合があります。
CrystalDiskInfoで表示されないことは、ドライブが正常であることを意味しません。外付けケースの仕様やメーカー提供ツールも確認してください。
「注意」のドライブをデータ保存用として使い続けてもよいですか?
失っても問題のない一時データの保存先として使う判断はあり得ますが、重要なデータの唯一の保存先として使い続けることはおすすめしません。ドライブの価格より、失われるデータの価値の方がはるかに大きいことがあります。
まとめ
CrystalDiskInfoで「注意」または「異常」と表示された場合は、次の順番で対応してください。
- 大切なデータを別のドライブへ退避する
- CrystalDiskInfoの画面と情報を保存する
- ドライブの保証期間を確認する
- メーカーの診断ツールも確認する
- 必要に応じて新しいHDDまたはSSDへ交換する
最も大切なのは、警告の意味を細かく調べることより、先にデータを守ることです。
CrystalDiskInfoが、皆さまの大切なデータを守るきっかけになれば幸いです。
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